「聞いて聴いて、早川一光先生のラジオな話!又、来週」reissue
第23話
「早川先生の講演を聞きたいので日程や場所等、教えて欲しい」
とのお問い合わせが増えて来ました。
有料か無料か、一般の人が参加できるのか等ハ-ドルが高くて出来ませんでした。
早川先生もメインリスナ-もご高齢で番組ツア-には、私自身以前から消極的でした。
(以前、担当ではありませんが、番組主催のかにを食べるお食事会で、何の病気か定かではありませんが参加者が亡くなったらしいと聞きました。)
しかし、遠方のリスナ-でスタジオに行けない方や営業要請もあり、旅行企画を先生に打診したところ「いいよ。家内も連れて行っていいかな?」との事で、1泊2日北陸芦原温泉と永平寺の旅を企画しました。
募集はバス2台分80名。キャンセル待ちを100名取りました。(体調が悪く辞退、グル-プごとのキャンセルがあったりして正解でした。)
早川先生の講演会付き、お医者さん同行(診察かばん持参)アシスタント北出さんも参加、宴会は「ばんざい人間クイズ」ぼけない音頭など全員にお土産や記念品が当たります。
社員は私と営業担当のKさん、それに添乗員1名の3人が同行。
参加者の平均年齢は、75歳ぐらい。
先生ご夫妻には、途中でバスを乗り換えて頂きました。(1号車・2号車平等に接触・握手出来るように)後年、シャレで「早川先生と握手すれば3年長生き」なんて・・・
バスは原則1時間毎にトイレ休憩。
庭園露天風呂が自慢の宿に着くと、一息入れて、まず早川先生の講演会。
簡単に全員自己紹介。
「私、家内に勧められて1人で参加しました。実は医者から末期がんと言われています。
今日は温泉に浸かって、先生にお会い出来るのを楽しみに来ました。」
先生の講演は芸人さん顔負けの3分に1回爆笑の連続。
楽しく為になるお話で皆さん、疲れが吹き飛びました。
合間に個人的な相談も、お風呂に入ってお食事宴会。
入れ替わり立ち替わり、先生に挨拶にこられます。
ゲ-ムをして歌って踊って楽しいひと時、寝る前に軽く温泉に入って就寝。
次の朝、私たちが添乗員さんと海産物やお土産が買える場所等行程の打ち合わせをしていると、北出さんから「女湯で気分が悪い人がいると、何人かのお客さんが云ってます。」と電話が入りました。
早川先生、出番です。大したことが無ければいいのですが・・・
しばらくして先生が、
「家内やった。湯あたりで、今部屋で横になってる。」
エ-ッ!奥さん、最悪雷鳥で京都までお送りする事も、誰が付き添う?
朝ごはんを食べに宴会場の大広間に行くと、奥さん先生と食事をされています。
さすが名医、「大丈夫ですか?」お聞きすると
「予定通り、行けます」とご本人。
ア-良かった!
永平寺、お年寄りにはしんどい坂や階段がありました。
もう少しバリアフリ-に配慮があってもと思いました。
今は改善されたかわかりませんが、杖をついている人には皆で声を掛け合い、手を取り合い助け合って行きました。私は、絶えず先生ご夫妻に張り付き、添乗員さんとKさんは最後尾からお客さんの見守り。写真を撮ったり、荷物を持ったり、目配り気配り、トイレ案内など。迷子を出さないようにしています。
昼食は永源寺傍のお店、他の番組と際立って違っていたのは
「食後のお水コール」
一斉に「お水下さい。」こっちもあっちも。皆さん、何やかや持病がおありの様です。
番組プレゼント様に、越前そばや福井名物、呆けないハチマキの日本てぬぐい等を購入。
皆さん、それぞれ海産物などお土産を買って帰路のバス旅。
ガイドさんが、ボケない音頭を知っておられて合唱。
途中、かやぶきの里美山でトイレ休憩。
早川先生ゆかりの美山診療所(先生請われて診察に何年か車で通っていました。)も見えました。
「高田君、待合室は、患者さんが横になれるように畳にした」とか、
「漆黒の闇にほたるの光がすばらしく綺麗なんだ」とか云っておられました。
おいしい牛乳を頂いて京都へ。
さてお別れの挨拶を、突然ガイドさん涙ながらに、
「最近母を亡くしました。番組をよく聞いていたので、思いだしてしまいました。」
と語りだしました。
お客さん、「頑張って」と励ましの声と激励の拍手。
先生「人生色んな事があります。こんな坂あんな坂、皆さん負けずに乗り越えて下さい。
今回は死亡診断書を書くことも無く、皆さん元気に無事故で帰ってくる事が出来ました。
家内の湯あたりを除いては!」
皆さん爆笑!
先生、早速ネタにしてはります。
皆さんとは、京都駅八条口で解散。
添乗3人組もお疲れさん。
実は私、学生時代にアルバイトで大手旅行代理店の修学旅行センタ-の添乗員(学生課に募集、友人と応募)春休みはおもに九州方面に行っていました。
夏休みはクラブの先輩の紹介で、飛騨高山にある濃飛バスの車掌兼ガイドのアルバイトをしていました。(上高地・平湯。乗鞍・新穂高・宿舎は高山の国分寺)そんな経験が生きようとは・・・
次回は、泣いた、笑った早川一光のイキ活きツア-
又、来週(隔週でつづく)
*著者紹介
KBS京都「早川一光のばんざい人間」を立ち上げた初代ディレクター
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