「聞いて聴いて、早川一光先生のラジオな話!又、来週」第33話
担当を離れても、早川先生からお電話を頂きました。
高田さんが作った番組だからと、色々ご相談を受けました。
定年で会社を離れても続きました。
最初の言葉は「これでいい?」
「ハイッ!先生の言葉が聞き取れるうちは大丈夫です。」
(定年になっても、犬の散歩で土曜の朝はラジオをモニタ-)
9月頃、先生から自宅に電話
「なんか云われてますか?」
と云う事は
「先生、何か云われました?」
番組のテ-マは超高齢化社会にどう備えるか、老いも若きも今から考え、実践しましょう!「命を大事にしよう!」です。
「生物はみな生き延びようとする。だから、争いも起きる。しかし、
人には知恵と理性がある。戦争は絶対にしてはいけないし、避けられるはずです。」
と先生。
8月は原爆記念日や終戦記念日があり、毎年平和の尊さや戦争の悲惨さを語って来ました。
ある年は、先生が平和宣言を聞いて、広島市長とお話をしたいとインタビュ-したこともあります。
「先生はお医者さんですから、命を守るのが仕事。命を大事にと訴えるのは当たり前、また戦争体験もおありですから、戦争はアカン!したらアカンと訴えるのは当たり前、どんどん云って下さい。局の立場としては、きちんと説明が出来れば問題ありません。」とお話しました。番組ゲストにもこの時期は、被爆体験や平和の尊さについて語って頂きました。弱者の立場に立って情報を提供する。お年寄りに勇気と元気を!隣人愛に溢れた番組作り、これが番組のコンセプトです。
早川先生が、ご高齢になると、年と共に変化するご自身のこころと体についても、先生話して下さい。とお願いしました。先生74歳の時、「自転車でこけた」と語っておられました。番組が始まった時からマイカ-出勤でしたが、「先生、片方の目(右か左か)が見えないそうです。」85歳?頃担当していたディレクタ-から聞きました。
「事故を起こしたら、アカンし人身事故でも起きたら、放送終了になる。次回からタクシ-を手配して!」(番組スタ-ト時にお聞きしたら、マイカ-通勤とのことでした。)
先生は最後の最後まで、律儀に老いとは?老いるとは?老いのこころと体について、話して下さいました。「夜が怖い」ああ、そうなんか、そうなんや。早川先生だから、こその放送です。
番組ゲストも富士山に登るガン患者の取り組み、がんになった校長先生の命の授業。
おばあちゃん劇団の元気な取り組み等、Qを振ってても、泣いたり笑ったり、お医者さんだからこそ、早川先生だからこそ、出演して頂けた方が沢山いました。
先生のお人柄も相まって他にはない切り口で、番組作りが出来たと思います。
スタジオ参加の皆さんも、初めは見学だけでした。途中からは番組参加者(先生がテーマを選び、台本を書いて来られスタジオ参加者に振り分けブッツケ本番で放送)が、仰天講座の出演者に変わります。(おじいちゃん、おばあちゃん観察日記では、子供の作文に感想をコメントします。)
笑い声のある番組は良い番組です。
早朝番組ですから、興味のない話題の時は、いびきをかいて一瞬寝てしまいます。
そうさせない為に、皆さんに声を出して頂く細かい工夫を、代々のディレクタ-が考えました。
先生が皆さんに呼び掛けたのか分かりませんが、2回目に現場に行った時には出来ていました。
サ-皆さん!一緒に呼び掛けて下さい。広がれ、広がれ、広がれ、ぼけない音頭の輪!
校歌を歌いましょう!「手のひらを太陽に・・」(ピアノの生演奏は北出さん竹上さん)スタジオ参加者全員で歌います。
先生、座っている人を引っ張り出して、指揮棒を渡します。
仕方がないので、それなりにコンダクタ-。
お出かけ交通情報の後、皆で
「行ってらっしゃい!」ゲストに激励の拍手をしたり、笑ったり何かと忙しい。番組の流れで、先生インタビュ-マイクを向けます。
適度な緊張感で眠気が覚めます。
私が皆さんにお願いしたことは「ニュ-スの時だけは、静かにして下さい。人の生き死にを伝えている時に、笑い声が聞こえるのは不謹慎ですから。」
毎回スタジオ参加者は、40人前後、なかには病院の待合室みたいに悪気は無いんですが、挨拶をしたり私語をする方がいます。
そんな方には「お静かに!」と裏表に書いてあるうちわを持ってもらいます。風紀委員に任命されたおばあさん、私語が聞こえたら、うちわを振ってはります。(実はあなたが・・)
又、来週!(つづく隔週予定)
*著者紹介
KBS京都「早川一光先生のばんざい人間」を立ち上げた初代ディレクター
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