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「聞いて聴いて、早川一光先生のラジオな話!又、来週」

「聞いて聴いて、早川一光先生のラジオな話!又来週」第29話

第29話

 お正月を過ぎて2週目位、生放送のスタジオでは恒例の初釜が開かれ、お抹茶とお菓子が全員に振る舞われます。

先生の奥様とお弟子さん皆さんのご奉仕で、スタジオの全員がお接待を受けます。

スタッフも仕事をしながら、お辞儀をして無言で頂きます。(はたから見ていると不思議な光景)ロビ-の片隅に長机を用意してお茶を点てて頂きました。総勢50人近いですから、けっこう時間もかかります。ばんざい人間恒例の行事になりました。

 他に5月には宇治のスポンサ-が新茶を持って来て、スタジオの皆さんとリスナ-にプレゼントしてくれました。年末には総務で余った沢山のカレンダ-を、ロビ-に置いて「ご自由にお持ち帰り下さい」と書いて貰って頂きました。


 早朝5時、6時出勤の「早川一光のばんざい人間」スタッフ・出演者全員、健康管理は大事です。自分の命は自分で守る!自主・自立・自分の体は責任を持って守る!自衛する!寝たきりを起こそう!


1人になっても、1人だけ(1人ぼっち)にはなるな!

畳の上で死のう!くすりはリスク!


早川語録です。

「先生、インフルエンザにかかった事は無いんですか?」

「ある」

「どうされているのですか?」

「くすりは飲まない!寝ている」との事でした。

30年6カ月続いた「早川一光のばんざい人間」闘病生活に入るまで、ダブルブッキングで1回休んだ以外は、病気などで休まれた事は有りません。(注夏休みを取るタレントさんも多く、番組として強要したことは有りません。)

さすがに健康管理は出来ています。奥様の内助の功もお察しします。

私も身内の不幸以外、担当している時は休みませんでした。

ある日、いつもの様にスタジオでQを振っていたら、隣に座っているミキサ-さんの様子がおかしい。「大丈夫?」聞くと

「お腹がいたい。もう限界・・」

見ると今にも倒れこみそう。ギリギリまで我慢していたみたいです。

ラジオの場合、技術の人は落雷や停電・送信機の故障など放送を守る保守・点検の為に、2人泊まり体制なので、もう一人の技術(ミキサ-)をADさんに呼んで来てもらいました。体調不良の彼はソファ-に横たわり、CMか音楽のすきまで先生が診断したのか、どうなのか?こちらも番組をやったことのないミキサ-さんに指示をしながら、放送続行!応援のミキサ-さんも卓に座ったものの何をしたら、いいのやら。

心の準備も出来ていません。時間は容赦なく過ぎて行きます。

「慌てなくていいから、私の指示どおりにして下さい」とまず、お願いしました。

「終わったらCMセグエ次のコ-ナ-TM前枠BG・・・」どの番組でも手抜きをせず、

いつも律儀に指示していますので特段困りません。

「次のコ-ナ-でレコ-ドを使うのでセットして、取材テ-プを用意して・・」等。

何とか無事に放送は終了しました。次の番組スタッフも出社して来て、正常運行となりました。

苦痛に顔をゆがめていたミキサ-さんは、早川先生が診て、親しい先生に連絡。

救急車を呼ぶことも無く、診察・手当をして頂きました。

幸い入院するようなことは無かったようです。いつ何が起きるかも知れません。

普段から横着をせず、「はい!」(何がハイやねん!CMですかと聞くミキサ-が正しい)「話が終わったらCM等」的確に指示する事が大事です。

なれ合いで仕事をしてはいけません。(親しい中にも、緊張感を持って)

2時間生放送をしたら、グッタリ疲れます。

放送が終わると、反省会、良かった事。悪かった事。

あのゲストのあの言葉良かったね。

放送して良かったと思える言葉が一つでもあれば価値のある放送。

聞く値打ちのある放送。やって良かった放送。

そんな放送で有りたいと続けて来ました。

「ショッピングを入れたい。何とかなりませんか?」

営業から何度も要請がありました。

最初は断っていましたが、早朝番組にもかかわらず健康食品のスポンサ-が、早川先生に便乗しようと触手を伸ばして来ました。

TVで医師でもない人が白衣を着て健康食品を売る白衣商法は禁じられましたが

初期にはありました。

アシスタントのみの対応で先生は、一切ノ-タッチ・ノ-コメントと云う事で

営業要請に応じました。

民放はスポンサ-が無ければ放送できません。

原稿も薬事法に照らして厳しくチェックしてもらいました。

先生を守るのもデイレクタ-の大事な仕事です。

次回も想定外、嘘のような本当の話!

又、来週(つづく隔週予定)


写真上:スタッフ全員で今年もよろしくの乾杯写真

写真下:ミキサ-が写っている卓の写真(腹痛で交代した人では有りません。)

*著者紹介

KBS京都「早川一光のばんざい人間」を立ち上げた初代ディレクター

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