「たべやすそうざい、のみやすい」その19
ちょっと番外編的な、いつもとテイストが違いますが、、、
先週末、日本摂食嚥下リハビリテーション学会学術大会に新潟に行ってきました。
企業ブースでは沢山の嚥下食の試食や自動でトロミが付けられる自動販売機、ご自宅で
やわらか食に加工出来る機器まで開発されていました。
少しずつ、地域と医療・介護と一般企業が歩み寄り3つの点で出来る三角形が拡がってきているようにも感じました。
そんな新潟の夜にお寿司を食べに出歩いた先のお店で、ふと感じたことがあります。
お寿司もお刺身も美味しかったのですが、
一番美味しかったのが「マグロの中落ち(限定品)」でした。
ネギトロは以前もご紹介しましたが、非常に食べやすい、飲み込み易い食材です。
それに比べると中落ちはやや不均等ではありますが、舌~歯ぐきで潰せそうな(不均等なので「歯ぐきで潰せる」に入ると思います)食べやすさでした。
何が言いたいかというと
嚥下食と区切らなくても元々存在して、(私にとって)全てのメニューの中でその日一番美味しかったのが「歯ぐきで潰せる食べ物」だったということです。
医療・介護的に確実に日常の中で正確性が必要な場合とは違って、
「元々、楽しみで、そのままで贅沢で、結果的に形態もたべやすい」
これは食べに「行きたく」なるな、と思うのです。
安全で線引が明確で「そのように作られたもの」しか置いていない店だと
少し気持ちは違うかもしれません。
勿論この辺りは個人差が大きいと思いますし、立場(当事者・家族・支援者)にもよりますが、、
似ているものに「旅行」「移動」があります。
「安全にその場に行くのが目的の介助者付きで、段差の無い場所を選んで行く」だったり
「バリアがあっても、その旅先で体験したいことを達成する」が目的だったり、です。
また外食先側とすると全て一から用意するとフードロスや完全予約制、介護食業界全体のターゲットと対象と思われている方の需給バランスなどの課題も出てくると思います。
もともとある、食べたくなる、「それが食べたいが為に行動する」料理が「たべやすそうざい」かもしれません。
結果的に「たべやすそうざい」の知識を広めることで、この辺りの視点に
少しは役に立つことが出来るのでは、と思った新潟の夜でした。
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