「たべやすそうざい、のみやすい」その99
今回はヨーグルトについて考えてみようと思います。
このエッセイでも数多のヨーグルトをご紹介して参りました。
しかしヨーグルトと一言で言っても様々です。
ゼリーについては一見、似ているが原料によって大きく嚥下し易さが変わるのは
窒息事故などもあって周知されつつあります。
ゼラチンゼリーが一番原料としては良くて、
こんにゃくゼリーは弾力から奥舌で飲み込み易い形にならず、大きめのサイズのものだと
窒息しやすかったり、寒天ゼリーだと口の中でまとまり難く、バラけて処理がし難い、、等
ヨーグルトはどうかというと
軟らかさはどれも文句なく「丸のみ」(送り込む際の奥舌と上顎で押し出す)で
潰せる硬さです。
しかし、食べやすい性状という意味では何点かの留意点
①離水 蓋を開けて表面に浮いているサラサラの水分をそのままにしないこと。
(固形と液体の同時処理は難しいことがある)
ゼリーにも言える事ですが。水は切って食べましょう。
②付着性
こちらがヨーグルトの強い特徴かと思います。
所謂、ギリシャヨーグルト系は付着性が強く、スプーンを逆さまにしても落ちません。
ここまでの付着性になると食べる人の口の環境(吸引力と湿潤具合)によって差が出ます。
寝起きに、口が乾燥している状態で一口目にこのタイプを食べてみると
「送り込み難さ」を
感じるのではないでしょうか。
内服や加齢、口呼吸などによる唾液量低下の方には向かないかもしれません。
付着したものを除去して動かすには圧力が要ります。
通販で見かける壁に付着した頑固な汚れを高水圧で除去するような感じ。
ですので口腔内から喉に送り込む際の吸引力、
口腔内圧が掛け難い方にはお勧めできません。
(口腔内の痩せからボリューム低下、末梢筋力の低下、口・舌の一部欠損等)
こういった方には流れのある飲むヨーグルトタイプの方が良いかと思います。
又はジャムやジュースなどを混ぜて粘度を下げるのも一つの工夫です。(均質に混ぜる)
逆にボーっとしがちで「寝耳に水」状態で不意打ちで咽頭侵入することから誤嚥しやすい方はある程度ボテッとした粘度のヨーグルトの方が良いかもしれません。
(脳卒中後、初期の意識障害など、病前は常食食べていて痩せていない方等)
粘度に関しては日本摂食嚥下リハビリテーション学会のとろみ早見表、性状説明にて粘度目安などを参考にするのも手元確認に良いかと思います。「フォークの歯の間から~」*
*JSDRとろみ早見表
※飲み込みに不安のある方は適宜専門家にご相談の上お試しください。
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