「ST,在宅やってるってよ」158
在宅における言語聴覚士の認知度、ニーズは
嚥下障害への活動から徐々に浸透してきた事を実感していますが
「コミュニケーションのリハビリ」の理解は
まだまだ、という風に感じています。
「話せない、話しにくい」は生き死にに関係があまり無さそうに見えるのかもしれません。
どの支援者が入っても変わりないのではと
思われるのかもしれません。
しかし
話す聞く読む書くのどの手段ならご自分の意思を伝えられるか、や
どういうアプローチなら最大限口を動かして大きな声が出せて、口腔発声機能を維持できるか、専門的な手技知識が大きく関係します。
それらを理解しづらい他職種に噛み砕いて
「話しにくさ」の詳細、ニーズを伝えるのは
相手側の理解や聞く耳に左右されるのが現状です。
最近、認知症からの言語障害のある方のリハビリに行っている中で、こんなやり取りをしました。
ほとんどは聞き取ることが難しい言語状態で進行していく訳ですが、在宅でご家族が用事の度に呼びかけてくるが、今何をしてるのかわからないままで、腕を引っ張って連れていかれることに不安を感じる。家族に感謝はしているが、次に何があるのかわからないので不安で
部屋にいる。
そんなやり取りを聞き取りしやすいコミュニケーション手段を活用しながら、ご本人が確認できるように視覚提示しながら確認して、ご自宅でのやりとりの誤解や、不安が減るコミュニケーション手段を整えて行ったりします。
それがなければ
家庭内で良かれと思って行っていることが
伝わらずに生活出来なくなる日を早めてしまうことにも繋がるわけです。
感謝している気持ちも言われた事を添えてご家族に。
「たかが話す」リハビリではない事。
生活を守っていく、支えていく専門職が必要である事を再確認出来た場面でした。
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