「ST,在宅やってるってよ」148
在宅で支援する中で大切だと感じることの一つに
介護家族に
「自分が何か出来る事がある」とお伝えすることがあります。
例えば絶飲食だったり、とろみのついたごく一部を口につける「お楽しみ程度」と言われている方に対して
「これはダメ、あれは危ないから〇〇して」のみ
のやり取りになると、そこには「してあげたい」気持ちが徐々に無くなり、機械的な作業になってしまいます。
視点を変えて
食べられないけど美味しいものを「味わってもらうことは出来る」(例えば咀嚼と嚥下を分解して1フェーズずつ代償したり、美味しい手作りの「本当の楽しみ」を召し上がってもらう、を提案すると支援者もやりがいを取り戻し、「お父さん、お母さんは〇〇が好きだから〇〇を探してきた、作ってきた」と変わります。
それを味わう姿を見て、お互いに「生き甲斐、やり甲斐」を感じる事ができたり。
コミュニケーションも同様です。
「覚えられない、伝えられないから必ず〇〇して下さい」では無く、「〇〇な質問の仕方で細かい部分まで聞く事ができます」だったり「〇〇を使えば〇〇な場所なら一人で楽しめますね」と変えることで「役割ややり甲斐に変わります」
重度の運動性失語になった方が実は話す以外がしっかりしている、とアセスメント出来れば元々の営業職で培った土地勘を活かしたやり取りが提案できます。
「話せないけど、最短で行けるルートを旦那さんが教えてくださいますよ」と言ってご夫婦で出掛けていただいたり。
「知らんバスに乗って行こうとするし心配したけど早く着けました」と後日談。
「次も〇〇行くルート考えてもらうわ」と。
夫婦の頼り頼られに変わったり。
贈り物、される、する心は日々を生きるガソリンになりますね。
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