「ST,在宅やってるってよ」その37
突然ですが、皆さん「アメニティ」ってご存知でしょうか?
ウィキって見ると、、、
アメニティ / アメニティー(英: amenity)とは、第一義的には、快適性、快適な環境、魅力ある環境などを意味する語、つまりは、「住み心地のよさ」「居住性(のよさ)」を表す概念である。 19世紀後半以来イギリスにおいて形成されてきた、環境についての思想に基づいており、都市計画や環境行政の根本的価値観、中心的原理に位置づけられる。もっとも、研究者によってニュアンスを微妙に違える定義が様々に並存している。
概要広義の一つには、「心地よさ、快適さ、快適性、楽に暮らすために必要なものが整い、整備されていること」、「生活を便利で、楽しくするもの」、「恩恵・特典を追加しうるもの」であり、そうした設備、快適もしくは適度なその環境(自然環境・社会環境)を意味する。(ウィキペディア「アメニティ」ページより*1)
ざっくり言うと「心地よさを提供するサービス、モノ、環境」みたいな感じです。
「アメニティグッズ」とか聞くことがあると思います。
「超一流〇〇ホテルはアメニティグッズも充実、シャンプーは〇〇のもの」みたいな。
以前にもこのエッセイで書きましたが「在宅サービスはご利用者さんが選ぶ立場にある」
比重が病院に比べ、大きいと思います。
病院からの訪問リハビリテーション、訪問看護からのリハビリテーション、2019年度の段階では介護保険にかかるコストは同額です。
もちろん、それを取り巻く仕組みの違いはありますが、在宅でのリハビリテーション、言語療法の提供という点では同額。
どの事業所が、どんなSTが来ても同額。インセンティブもありません。
ではどうやって、数多ある事業所の中から「選んでもらえる」差別化を生むのか、、、
少し大きな視点で世の中を見てみると、似たような業界があります。
地域に沢山あって、売っているモノの値段が基本同じ。
さあ、なんでしょうー
答えは「コンビニ」です。
どこに行っても置いている商品は定価です。(最近規制緩和も少し出てきましたが、、、)
田舎で、1店舗しか無かった時は繁盛していたのに、近隣にもう一店舗出来たら潰れた。
よく見かける光景です。
コンビニを地域ごとによく見ていくと、色んな工夫に気づきます。
①トイレ利用可能
キレイに保たれている、男女分けている、女性利用限定の数が多い、共同の数が多い、いい匂い、ご意見ノートが置いてある、荷物置きがある、外国客向けの提示がある
②地域の特性を活かした品揃え
高齢者が多い地域では「お一人様」様の惣菜が充実している。
若者が多い地域ではガッツリ系メニューが多い
少しヤンチャな方が多い地域では酒の種類やアダルトな書籍のバランスが多い
ビジネス街では自己啓発系の書籍の品揃えが多かったり、ネクタイなどを置いている
車で来やすい駐車場の数、レイアウト
③+αで特徴を出している
過疎地のコンビニでは生鮮野菜や精肉、日用品等の販売機能を併設している
フードコートテーブルを広く取り、カフェ機能を持っている
薬局やケアマネジャーが常勤でおり、その機能を併設している
プライベートブランドを販売し、価格を抑えた商品を販売している
まだまだ工夫特徴はあると思いますが、これらも「アメニティ」です。
その地域に一箇所しか無かった時に「トイレ利用お断り、手洗いお断り」と記載のあった
チェーン店コンビニは近隣に別チェーン店コンビニが出来るとしばらくして潰れました。
①~③を在宅リハビリに置き換えるとどうでしょう?
①身なりがきちんとしている。スリッパで来ない。感染予防の意識がある。
逆に、人には訪問を受けているのを知られたくないのにケーシー、クロックスで上着も着ずに訪問する。消毒等しない。
受診時に受けたわかりにくかった説明をくだいて説明してくれる。
逆に、専門用語での説明、記載が多い。
②身体面に課題が多い地域でPTOTの人員配置が充実している、口腔機能に対してSTの常勤が複数在籍、必要に応じて他事業所、嚥下評価機関や歯科、栄養士等と連携する
逆に、囲い込み「私が運動も嚥下も見ます」という
訪問時間を予定よりも移動が早く済んだので通知なく早める、または遅れる
振替提案が多い。
③認知症ケア専門士、各協会認定資格、日本摂食嚥下リハビリテーション認定士、呼吸認定士のライセンスも持ったセラピストが多面的に関わる。事業所に居宅介護支援事業所も併設している為、情報共有が円滑。保険内保険外のサービスを併用したり、予防事業・地域向けの講義サロン活動なども行っている。
逆に「私はSTなので学校で習った分野しか行なえません」
非常に勉強になる視点だな、と個人的に思っています。
「アメニティ」意識を持って行動することは、所謂「質の向上」への近道なのでは無いでしょうか。
*1ウィキペディア「アメニティ」
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