「ST,在宅やってるってよ」その88
「在宅で人と長く話をする」という意味において
我々の仕事は他の医療・介護・福祉職よりもその比率が多くなるかと思います。
信頼や安心感を持った関係性になってくると、
または冒頭から、
時々こんな言葉を聞きます。
「もう死にたいわ。生きてる意味ない。」
何度聞いても「強い言葉」です。
例えば
嚥下障害のある方に
「誤嚥・窒息を減らす≒死なない様に」
の様な目的で担当している時にもお聞きします。
他にも
進行性の疾患の方から
「出来なくなることに」対して言われます。
例えば
特に何も生活上、そんなリスクが無くても
ふと、言われることもあります。
「治したい、良くなってほしい、健康になってほしい」
が強く、当たり前にあり過ぎると。
強くその言葉を否定してしまう事があるかもしれません。
「傾聴」に終始し、何とも言えない雰囲気で終わることもあるかもしれません。
私はそんな話があった時に、可能な範囲で
「アサーティブ」な関わりを取り込んでいます。
「アサーティブ」とは
アサーティブネス(Assertiveness)の訳語は、「自己主張すること」。でも、アサーティブであることは、自分の意見を押し通すことではありません。自分の気持ちや意見を、相手の気持ちも尊重しながら、誠実に、率直に、そして対等に表現することを意味します。
(アサーティブジャパンHP*1より抜粋)
「傾聴のみ」を選択することもありますが、受け身的なノンアサーティブという事になり、
自己主張はしない、という事になります。*2
最近のそんな場面ーー
「なんか、もう生きてる意味ないって思って」
「おー、何でですか」
「もう、、どんどん出来ひんこと増えるし、前はもっと出来たのに」
「そうですねー。私も年々出来ない事増えてきました。
○○さんから見たら若いでしょうけど、中年ですし。若いころに楽しみにしていたことも
大体経験したら、だんだん楽しみにするものも減ったし、体も痛いし、、ちょっと違うかな」
「んー、でもそんな感じかも。でもまだ先生若いでしょ。まだ楽しいこともあるんちゃいます?」
「んーなんでしょうね。息子とお酒飲めるように、とか?孫とか産まれたら?とか?」
「孫は良いかもねー」
「お孫さんおられますやん、お孫さんといる時、違う顔されてますねー」
「まあ、孫の前ではね」
「お孫さんの結婚式とか、曾孫とか産まれたらどんな気持ちなんでしょうね」
「んー生まれてみな、わからんなー」
「楽しいかもしれない、があるって良いですよね」
「死ぬも色々ありますけど、もし今洪水になっても避難しないとかは無いですねー」
「それは嫌やわ、逃げるな。いや、いや笑」
「なんだかんだでまだ生きちゃいますかねー笑」
「そうやなーお迎え来るまでは死にたくないかなー」
「私もそんな感じです笑」
もちろん、答えが出ない事も、傾聴するしか無い日もありますが
一緒にあーだこーだと話す中で
「なんとなく」が変わることもあるので
「対等」に「答えを決めつけず」話し合うは大切ですね。
ACP、人生会議にも言える事かな、とも思います。
*1アサーティブジャパン
*2リンク&コミュニケーショングループ
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