「ST,在宅やってるってよ」その82
現状の医療福祉介護業界はこの一年で大きな影響とダメージを受け続けています。
この一年、ずっと家族に会えない人、外に出られない人。
大勢おられます。
そんなご利用者さんの中のお一人と接する中で感じたことについて。
その方は超高齢者ですが
今もお一人で施設でお住まいです。
感覚性失語の為に、理解が出来ずに混乱されることもありますが、
文字でお示ししながらお伝えするとご高齢にも関わらず、
しっかりと自分の出来る範囲のことを自力で把握・行動されます。
訪問したある日、
普段はきっちりと自己管理されているカレンダーの日付(一日毎に日数を消してチェックしておられる)にズレがあり、訪問日では無いと思い動揺されました。
幸い薬は日にちがズレても1日の朝昼晩のカレンダーで飲み忘れ無く、
「訪問する日で無いとうっかりしていた」だけだったのですが
ご本人としてはショックであったこと。
そして施設内でこのズレや時々わからないことがあるんだという事を
これまで内に秘めていた溜まっていた想い(家族が面会にこれないこと、墓参りにいけないこと、それがイマイチわからない事)と訴えられました。
私はそれらを聞き、自分が受け取った内容を文字にして示しながら
各人に伝えてほしいものについては
「こういった気持ちで困っている事を職員さんやご家族にもお伝えしておきますね」
とお伝え。
涙を流し、拝みながら
「あんただけが、わかってくれるんや、、、本当にありがとう」
そんな日がありました。
また別の日には
とある話題がきっかけで、私から
「中年には中年で色々あってしんどいもんですよねー○○さんは私ぐらいの時、どうされてました?」
とお聞きしました。
すると錯語はありながらも活き活きとこんな内容をお伝えくださいました。
「ありがたいと思う事」
「仕方ないと思う事」
「お金を稼ぐ、遊ぶ、動く、生活をするために」
「私とあんたは何歳違うんや、、55歳、、、
あんたが私に近づくとまた変わっていくけど、今動けることは動くこと」
活きた芯に刺さる言葉の数々を先日の不安気な表情の人とは全く別人の様にお伝えくださいました。
その日は
「いつでも聞いてください、いつも世話になってんだから」
人はどんな時でも支え合っているし、
人同士が関わるからこそ役割や遣り甲斐が産まれるのだな、と実感しました。
役割が制限される今だからこそ、我々が「大切な役割を兼務」する場合には応えられたらと
感じる限りです。
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