「ST,在宅やってるってよ」その117
在宅では、STだと当たり前のことが当たり前では無かったりします。
STというもの自体が知られていないのは当然として、例えば失語症の理解というのも
進んではいません。養成校で失語症と構音障害の違いが最初わからなかった様に
よほど、在宅で失語症者を知ろうと深く思い学ばないと判らないのも当然かもしれません。
そんな現状の中で起こる問題の一つに
「言い間違える、言えない=分かっていない、覚えられない」問題
があります。
失語症者に見られる錯語は単語単位での言い間違えもかな一文字単位でも起こり得ます。
しっかりとわかっていても時折出ますし、言い直しを迫られた場面の方がより出ます。
でも記憶や理解はしっかり出来る、という方も実は沢山おられます。
しかし上記の誤解から、過保護な監視でのサービス組み立て(すべてにヘルパー対応)
果ては大きな声で赤ちゃん言葉での対応、、、、本当にまだまだあります、、、
ここで我々STが誤解を解くためにすることが大切です。
たとえば、非言語の簡易テストで数字として知らせること。
RCPM,コース立方体などで年齢平均と比較して、という事や
知能検査のPIQ(動作性知能)、言語流暢性は下がりますがFAB等を確認することで
こちらとしても、「裏付け」を持ってお伝えすることが出来ます。
非言語課題での裏付けと共に例えば「理解し易い方法」を分かり易く伝えることも
大切になります。
失語症者への接し方に支援者が困って「わかってないから」となっているケースも多いので
例えば漢字や単語レベルでの筆談で理解がしっかり入ることを目の前担当者会議などで
伝えると、「ああ、そうすればしっかり理解されるのか」と理解が進み
この方は「話にくさ、聞いて理解がし難いだけなのでお一人でも外出自立出来る」と
広めることが出来ます。
しかし中には上記の机上検査自体を病院時代に沢山してプライドが傷ついた方もおられます。そういった方は検査はして下さらないのでフリートークや、日常生活でためしてもらう行動の観察結果、同行での外出評価などを基に把握することもあります。
出来る事を知ってもらう、生活の幅を広げる、大切な事です。
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