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執筆者の写真hanataku2019

「ST,在宅やってるってよ」

「ST,在宅やってるってよ」その115


一日に必要な栄養量が摂れないことが明白な時期に

徐々に進行する嚥下障害の中で

「経口摂取のみで最後を迎えたい」というご意向の中で

STが在宅で出来る事は何かと考えることがあります。


少しでも食べたい、味わいたいに対して関わりつつも

「楽である事」「家族とのやりとりを実感出来る事」

への支援もその役割ではないかと思います。


例えば

訪問時から咽頭残留が著明で、唾液でムセ続けるような状態で

吸引を続けながらも、外科的処置は望まずそのままで在りたい方、


吸引回数が少し減る様に、嚥下姿勢やコンディションを整え、

呼吸介助ーメンデルソン手技下での唾液嚥下を行うことによって

一時的にですが、吸引をせずに喉がスッキリする、喉頭挙上が少し

スムーズになる。


そして喉がスッキリした状態で呼吸介助や斉唱などを組み合わせることで

ご家族との明瞭な会話のやりとりをお手伝いするーー


一時的ですので戻ってしまいますが、そういう時間を提供することも

一つの在宅STの存在意義かもしれません

お伝え出来る範囲は多職種、ご家族にも共有しますが、こういった手技は中々

伝達して出来るものではありません。


こういった関わりをしてその日の訪問が終わり、ご自宅を出る時に

「今、STとしてその方に出来る事をした」と言い聞かせながら移動します。


100点でも、「良くなった」という気持ちとは違う感情ですが


進行していくその症状に対し無力ではなく微力ながらも寄り添う事の意義を

自分自身に言い聞かせながら、継続して関わっていくことも、それを望まれるなら

意義があると感じています。






*画像は初台リハビリテーション病院Hpより



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