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執筆者の写真hanataku2019

「ST,在宅やってるってよ」

「ST,在宅やってるってよ」その13


在宅でのリハビリテーションには「活動と参加」に繋げていく、というのが

一つの大きな目標でもあります。(全ての方ではありませんが)


STが出来ること、ってなんでしょう?


沢山ありとは思いますが、その入口には「役割を持つこと」があります。


役割と一言で言っても沢山あります。


会社に必要とされる自分、地域に必要とされる自分、友達に必要とされる自分、

家族に必要とされる自分、そこに在てくれる自分、、、、、


そこで

私が関わった方でその入口のお手伝いを出来たかな、と感じた例をいくつか。


難病の症状から、自分の意思で大きな息を吐いたり、声を出すことが難しくなっていた方。

進行が進む中で、ご自身にお子さんは居られなかったのですが、本当の子供のように仲良くして来られた親戚の子供さん達が家にやってきてくれている日のこと。


親戚「そろそろ帰るね、又来るし。」


本人「、、、、、、」


言いたいけれど、声が思ったタイミングで出ない状況でした。


そこで普段行っている練習から、

一緒のタイミングで呼吸をお手伝いしながらいい声を出す、を使って

「ありがとう」

「また来てね」を言いました。

ご本人の口から言えた、聞けたが成し遂げられた瞬間でした。


重度運動性失語の方


普段から奥さんに言われっぱなしで、自身の今後の身の置所も奥さんが良かれと思って

動こうとされたのですが、御本人の意とはそぐわないものでした。

そこで

ご自身の得意なコミュニケーション方法として

選択肢を指差してもらい意思表示をする、を使って


夫婦喧嘩。


指と表情に思いが宿っていました。


奥さんも真意を知れて良かった、となりました。



また別の方。

認知症からコミュニケーション、特に発語が難しくなっている方。


ご家族から

「もう、何も解ってへんのやろうね。」

と少し厳しく、少し寂しそうに言われました。


そこで最近のニュースの写真を示しながら質問。


令和おじさんを見ながら

「れいわ、かわった」


アメリカの大統領の写真を見ながら

「トランプ、アメリカの大統領」


ご病気をしてからも新しく覚えておられることを証明することで、

御本人の自尊心やご家族の安心感がありました。


また別の方。


ご病気により食事が全く食べられなくなりました。胃ろうのみで退院。

そこから段階を踏みながら徐々に食べるれるようになり、、、


奥さんが再び料理を作れる、という「奥さんとしての役割」を持てました。


作る

「美味しい?」

「美味しい」


一緒のテーブルで食べる。外食する。お子さん、お孫さんとも外食出来るように。

祖父としての顔、親父としての顔、色んな役割がまた出てきました。


言い出すとキリがないですが、、、、

他にも元々の大きな声が練習で出るようになって自尊心を取り戻した方。

飲み方を工夫して一緒のテーブルでコーヒーが呑めるようになった方、、等など、、、、


「活動と参加」の入り口は「役割」、

その入口は「自尊心の再獲得」、かなと思います。

リハビリテーションの本質かなとも思います。







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