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執筆者の写真hanataku2019

「ST,在宅やってるってよ」

「ST,在宅やってるってよ」その89


小児の言語訓練やコミュニケーションアドバイスなどのお仕事も頂き、行っています。

訪問でご自宅に伺ったり、放課後等デイサービスや児童発達支援施設に伺ったりと

様々な形です。


私自身、成人をメインにSTを始めたこともあり、小児への対応には最初戸惑いもありましたが、大きく違う点が幾つかあるかと思います。


①小児は発達全体が関わっている


②概念を作る、あるか確認する


③親子、家族単位でみる、応対する


この3点が非常に大切かと思います。(成人よりも比率が高い、という印象)


①発達全体は身体や運動、動作などを含めた発達が各々どんなものか、を留意するということです。

例えば「らりるれろ」がすごい巻き舌になってしまったり

   「さしすせそ」が「ちゃちゅちょ」になるお子さんの中には

力加減が苦手、という原因があることも。

「そーっと」動く、積み木を重ねる、取る。そんな遊びが出来るか楽しめるかを

見たりもします。


②は後天的な成人言語障害と比較すると分かり易いですが

元々「その言葉の意味を知っているかどうか」によってアプローチは大きくことなります。

概念がまだ無ければ、非言語的な事でも先ずはその意味を知ることが大切です。

特に抽象的な言葉は理解することが大切なように感じます。

大人は子供に対しても大人の常識の物差しで測って注意してしまうことがありますが、

「恥ずかしいこと」「いけない事」も最初は皆わからないのが当たり前です。


③こちらが一番大事かもしれません。

同じぐらいの能力のお子さんが居ても、出来ていない所ばかりを指摘する家族と

出来る様になったことをほめる家族であれば、その後は大きく変わってきます。

親も悪気がある訳では無く、②のような考え違いや、「良くなってほしい」の

方向性の違いだったりします。

親自体の疲れ、心配に寄り添ったり。今の状況から得意なことや苦手なことを

親御さん毎に伝え方を工夫して行く事も大切です。

「出来る様になってきたら指摘してもいいけれど、出来ないときに指摘しない方が良い。」

だったり、そのタイミングをお見立てしたりもします。


最初はそうでも無かったけれど、徐々に答えるのに自身が無くなり、大人の顔色を伺い出す子供さんもいます。

そういった場合も家族を含めた普段の生活などをお聞きしたりします。


また年長さん達は、就学の時期になると支援級か普通学級に行くかの悩みも出てきます。

聴きながらも、最終的には親御さん達に決めて頂けるように情報をお伝えしたりします。


年長さんを始め、子供たちはそれぞれのペースで「あっと」驚くような成長を見せてくれます。出来る様になったこと、幼稚園保育園での行事で頑張ったことを家族でお伝え下さったり、最後の3月にお手紙をくれたり。


そんな場面に立ち会えることが小児STをしていて嬉しい瞬間です。




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