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執筆者の写真hanataku2019

「ST,在宅やってるってよ」

「ST,在宅やってるってよ」その54


在宅でのSTの関わりの一つの特徴は、「お一人の方とのお付き合いが長い」が

挙げられます。(法人内ローテーションを取っておられる場合は別ですが)


そうするとどうしても避けられないのが


お別れです。


ご本人が亡くなられることも、ご家族がなくなられることもどうしても避けられません。


ご家族が亡くなられた時、その連絡を受けた時に、支援者として考えるべきことは


・ご利用者が要介護である場合の支援体制や連絡体制の変更が必要ではないか、

必要な場合、訪問介護やショートステイがどのように追加となるか、又新しいサービス事業者へのSTとしての共有事項の伝達(伝わりやすいコミュニケーションや安全な食事環境など)は無いかと考えます。


・死別による当事者の心理面の変化はどうか

高齢や認知症をお持ちであればリロケーション障害(自身の環境が変わったことから一時的に不安や不穏、退行等が起こる)の留意を残されたご家族や支援者と共有します。

また高齢や認知症でなくても当然、気持ちはふさぎ込むので不眠や生活リズムの変化についても確認します。


そして何より、「寄り添う」ようにします。気が張っていてもシンドいのは間違い無いので、傾聴出来るような関わりを必要に応じて行います。


在宅で我々は言語機能、嚥下機能だけを見ているのではなく、その土台となる生活や心身機能の変化を捉えるのはリハビリテーションの基本でもあります。

少しでも訪問している間に気持ちを吐露出来たり、整理できたり、クスリと笑えたり、

そんな事が大切かと思います。


また、亡くなった家族によってこちらが重みを勝手に解釈するのはご法度です。

例えば、愛犬が亡くなった悲しみを「親が亡くなった時よりも辛い」と言われる方も

おられます。叔母に育てられた方にとってはご両親より悲しみが深かったり、

元々のその方の心理状況にもよると思います。


無理に「前を向きましょう!」に持っていくのもご法度です。

本人の内から出てくる感情に耳を傾け、少し再び歩みだそうとされる時に後押しするくらいが丁度良いのかな、と思います。


そしてその話題を腫れ物に触るように避けるのでは無く、時々一緒に懐かしむのも良いかと思います。

「あの時、〇〇さんあんなん言っておられましたね、、、」みたいに。

支援者とて一人の人間ですので辛い気持ちも当然ありますが、一緒に共感し傾聴し、寄り添う気持ちを忘れずに関わりたいものです。


担当のご利用者さんがお亡くなりになられた時、

これは個人差があるでしょうが、私はお誘いを頂いたら可能な範囲で

お通夜やお葬式等参加せて頂いたり、ご挨拶に伺ったりしています。(式にお誘いされた時はエチケットとして香典は持参していますが受け取られることはあまり、ほぼ無いです)


我々が知るご病気をされた後のその方では無く、ずっと続いていた人生に経緯を払う気持ちで。


言い方がどうかわかりませんが、時々変な(?)お通夜、お葬式もあります。

「賑やかにするのが好きな人だったからお通夜はパーティーにするわ」と

棺の横にはビアサーバーがあって、お寿司やら何やらを皆で食べながら盛大に、、、、


送り出し方は色々です。


式や何かに呼ばれなくても、落ち着かれた49日が過ぎた頃に拝みに行かせて頂くこともあります。老老介護だった奥さんが独居になられて大丈夫かな、とかも少しありますが、

多くはただ、拝みに行きたいというシンプルな気持ちです。


そしてどんなに良いリハビリしてもお別れはくるし、どんなタイミングで来るかも

予想できないことが多いことを忘れないでいることが大切です。

「あの時こうしていれば、、、」とかはその時その時に思うのは良いですが、

過ぎてから後悔したり、無力感に苛まれる必要は無いのだと思っています。


その人その人の人生に深く関われたことを大切に思いながら次の出会いに活かしていければと思うわけです。


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