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執筆者の写真hanataku2019

「ST,在宅やってるってよ」

「ST,在宅やってるってよ」その47


コロナ禍の中で、我々STに何が出来るのでしょうか?


巨大なウィルスの感染の中で自分たちが出来ることについて考えます。


以前こちらで書いた時よりも深刻度は増しています。



4月3日現在での情報ですが以下です。



我々の業務に関する感染対策について


嚥下面ー


国際感染症センターの感染管理としては以下です。 https://www.niid.go.jp/niid/images/epi/corona/2019nCoV-01-200319.pdf


その他関連団体でコロナについて触れているHPは以下ご参照下さい

口腔外科学会

DRS



飛沫感染リスクが高く、マスクのみではサージカルマスクなどでも感染リスクは高いようです。(普段はムセと咳は違う、という観点ですが、今はリスクとしては一緒です)


ゴーグル、ガウン、グローブと併せた着用が必要となります。


平時より耳鼻科の先生より口腔内の診察では患者さんの唾液感染リスクがあるので

ゴーグルや眼鏡をした方が良いとお聞きしていました。


上記の完全な装備が難しいことが在宅では多いと思いますが、

先ずはグローブ、眼鏡、マスクです。


職業感染制御研究会HPにはいろんなタイプのゴーグルが掲載されています。


それらの装備に加えて、現状でやるべき手技か口腔嚥下リハビリ内容かの選定も

再検討が必要となります。


日本嚥下医学会ではこのように記載されています。(以下抜粋)


日本嚥下医学会では、「感染傾向が拡大している地域」においては、 「非緊急の」上気道粘膜との接触を伴う嚥下訓練や内視鏡下嚥下機能検査は見合わせることを推奨する。


非緊急の捉え方が在宅でどの範疇なのか、明確な指示はありませんが、

日々の在宅支援から察するに、


そのアプローチをしないと感染のリスクよりも誤嚥性肺炎のリスクが上がってしまうケース

そのアプローチをしないと必要量の栄養摂取が困難になってしまうケース


といった所でしょか。


非緊急で言えば、

例えば、ペースト食、薄とろみで誤嚥リスク無く3食食べられていて、改善見られるので

トロミ無し・カット菜の評価をしたい。VEVFも。

という感じかもしれません。


最大声量や、咳テスト、訓練も今は必要最低限に控えたほうが良いかもしれません。


個々人でその対応は変わるでしょうが、極力鼻腔、口腔粘膜への接触を抑えるという

ニュアンスです。


失語症、構音障害に関しては


口径模倣などマスクを外してのアプローチは控えるという所でしょうか。


マスクエチケットへの理解、感染予防は相互の為であること(あなたから伝染るの怖いから、では無く、あなたに伝染したくないから、のニュアンス)が大切になります。


また上記装備の医療廃棄物としての処理方法の徹底も必要になると思います。


感染リスクとリハビリ効果を天秤に掛けて、一旦訪問を控える、ということも今後必要になるかもしれません。

その際の代替案としてオンラインリハビリを提案するのも一つの選択肢かもしれません。

(出来ればこの現状からという意味でオンラインでも保険算定出来るようになって欲しい)

オンラインの導入のきっかけは何であれ、コロナ禍が落ち着いた後も一つの選択肢として

活用出来る様になるかもしれません。

今出来ることを提案、実施出来ればと思います。



最後に


私はSTはコロナ禍においても無力では無いと思っています。


例えば、


施設にお住まいのご利用者


施設インフルエンザ発生から2ヶ月、ご家族の来館が禁止となりました。

重度の運動性失語で奥様に普段は自分からお話になる意欲は乏しいのですが、

ある日、スマートフォンを指差し

「電話がしたい」と意思表示がありました。(ジェスチャーと選択肢での質問)

その日から毎週、お互いの安否確認を込めてビデオ電話をご本人のスマートフォンで

行うようになりました。電話の限られた時間で発語努力も増え、可能な挨拶を駆使しようと

される様になりました。


また普段言語室をお借りして行っている施設では自室でのみ実施可能と制限が出ましたが、

自室ならではの、これまで言語室で伝えておられた内容の詳細をアルバムや資料と共に

一生懸命伝えてくださったりします。



どんな環境であれ、出来ることを個別に考え、提案する。に尽きると思います。

皆で情報を共有しながら、出来ることをしていきましょう。







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