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執筆者の写真hanataku2019

「ST,在宅やってるってよ」

「ST,在宅やってるってよ」その25


今回は口から食べることが難しい時、のお話です。


食べ物を飲み込めない状態、嚥下障害になった時に

幾つかの栄養補助パターンがあります。


・経鼻経管栄養:鼻から管を胃に留置し、栄養を取る

・胃ろう:胃に穴を開けて栄養を取る

・末梢静脈栄養:手や足などの血管から点滴で栄養を取る

・中心静脈栄養:頸などの大きな血管から点滴を入れる


色んな死生観、人生会議からの「最期の迎え方」はあると思いますが、

一旦、その話しは置いておいて


今回は

「嚥下障害で一旦絶食になっているけれど、回復していく見込みが高い(また食べれる)ケース」の場合です。(例えば脳梗塞後の回復過程や尿路感染などで一時的な体調増悪で

嚥下機能が落ちた等など、、、)


こういったケースでは点滴では無く、可能なら胃ろうや経鼻経管栄養をしてもらいたいと個人的には思います。


理由は大きくこの2点


・色んな栄養が点滴よりも摂りやすい

・消化吸収機能が保たれやすい


因みに、胃ろうでのケアだと施設(特別養護老人ホームや有料老人ホーム等)に帰れますが、経鼻経管栄養では戻れなかったりします。(在宅には介護者の協力があれば帰るケースもあります)

食べる力を取り戻すまでに肝心の栄養が足りていないと元々の食べる為に必要だった筋力が低下して食べれなくなってしまう、喉の中の脂肪などのボリュームが減ってしまい、飲み込む際の圧力が掛からず食べられない、などを招きやすいです。


また消化吸収機能が保たれやすいことも非常に重要で、いざ食べられるようになっても

消化吸収に必要な腸の動きや絨毛が萎縮していては、身になりませんし、重症化すると命に関わる問題にもなります。

経口摂取で腸を活性化する際に特に糖質と脂質を口から食べることが重要なようです*1

絶食時にST訓練時のみ経口摂取練習可能な場合も

こういった視点を意識出来ると良いかもしれません。


時々在宅で、絶食になった際の補助栄養の相談を受けることがありますので、

知識としてこういった事をお伝えした上でご家族と病院側で検討して頂くこともあります。


「なんとなく胃ろうはしたらあかんイメージ」だけで取り戻せる元気を逃さないで欲しいと

STとしては思ったりするわけです。


*1小腸絨毛委縮メカニズムの解明とその回復に与える栄養素の作用機序

https://www.mishima-kaiun.or.jp/assist/report_pdf/2012n/n_h24_17.pdf



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