「ST,在宅やってるってよ」その19
三度、リスク管理です。
今回は透析の方について。
病院にいると腎臓内科のお医者さん、看護師さんに管理はお任せして
嚥下機能評価、形態調整がSTの分担、ということが多いですが、
在宅ではケースによってはSTのみが担当していることもあります。
その為、幾つかの視点、チェックを忘れないようにしましょう。*1
1,透析病院↔本人・ご家族でのやり取りとして使用されている「連絡ノート」を
確実にチェックすること。体重設定や水分上限の変更など、又場合によってシャント手交換もあるので非シャント手によるバイタル測定からも確認が必要です。
2、普段の水分摂取量の確認
各々に一日上限水分摂取量は異なりますので、少なくても多くても良くないので
チェックが必要です。お酒、汁物、ジュースなども水分として含まれることをチェックの中で曖昧な場合はお伝えします。
3、栄養バランス制限について
カリウム制限やリンの制限などもありますので、食事の献立など、質問だけでは把握し切れない時は週間献立を書いてもらう用紙を用意することもあります。
また、「在宅STになんでそんなこと言われなあかんの?」という反応が見られる場合は透析病院側からお願いしても良いと思います。(献立が曖昧なご様子を透析病院にお伝えすると対応して下さることが多い、また訪問看護師が入っていたら対応してもらう)
調理方法によってはカリウム含有を減らす事もできるので、好きなものを制限から止めるので無く、摂取可能な方法を提案すると良いと思います。(ジュースは果汁100%じゃないもの、野菜は茹でるとカリウムが減る、等)*2
4、口渇感を防ぐ工夫
水分制限を守れなくなるのは、環境も関係してきます。夏場の暑さ、冬場の暖房からの乾燥と部屋のコンディショニングが大切となります。
適温に保つこと、加湿器を枕元の近くに置く、必要に応じて氷砕をなめるのも良いと思います。
5、サルコペニアの観点から
タンパク質の摂取にはリンが関係しますので、サルコペニア(筋減弱)になっていても栄養バランスなどの考慮が必要になるので、各種メーカーに腎機能・透析の在る方で在る旨も事前に伝えた上で相談したり、管理栄養士さんの指導を受けるなどの工夫が必要となります。
6,外食の観点から
家族で外食に行くと、ついつい水分量が増えがちです。我々も家でお酒を飲むより外で飲む方が飲酒量増える傾向にあるのと同じですね。
一人だけ、小さいコップに少しだけ、だと気分も盛り上がりません、、、
そんな時には少ない量でもグラスに収まるように出来ている器などをご利用されてもいいかと思います。(少しの量で多く見えるグラス、などで検索すると色々出てきます)
*1全腎協
https://www.zjk.or.jp/kidney-disease/water-salt-intake/5_5358a3bdbd475/
*2笑顔でいきいき透析新ライフ
*2東京女子医科大学腎臓内科
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