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執筆者の写真hanataku2019

「ST,在宅やってるってよ」

「ST在宅やってるってよ」その15

ここのところ「活動と参加」について続いて書いていますが、もう少し。


「活動と参加」はICFの概念から来ています。*1

ICF,学生の頃は

「何となく」、

病院時代は

「なるほどね」、

在宅に出てから

「深い!」

となったわけですが、、(単に勘が鈍いのかもですが、、)


これまで2回、活動と参加の「入り口」と、「やりたい」が出たときの提案の「引き出し」について話してきましたが、


今回はそれらの根っこ、スタートとも言える「環境因子」と「個人因子」です


堅苦しい言葉ですが

要は

「どんは場所でどんな人がいる?」

「あなたはどんな人、人生?」


に尽きます。


例えば

家族などの介助者が入れば外に出れる人もいれば、

居ないから出れない人もいます。


環境は整ってるけど出たくない人もいれば

出たいけど、サポートしてくてくれる環境が無い場合も。


グルメ(個人因子)だけど、嚥下障害があって、施設暮らし(環境因子)

の方がいます。


もう、旨い食べ物食べれない、、、と言っておられましたが、


嚥下機能を見ると、食べ方に気をつければ食べれるものが多いことがわかりました。


そんな方には、お取り寄せの本をお渡しして、「この辺は今も食べれますよ」、

とか

出前を頼んで食事評価、などをしました。


自身がついて

「外食したい」が出てきて「活動と参加」につながったわけです。


ベッド上生活、発語困難があるけれど

自宅で子供と配偶者と住んでいる(環境因子)で

親として家族と関わる一緒の時間を大切にしている(個人因子)

ファッションに興味がある(個人因子)


親としての役割を持てる提案の引き出しを沢山出します。

「コミュニケーション代償機器でネット通販でこどもの服を買う」の提案で

「役割」が出来て

「活動」と「参加」になったりします。


でも

綺麗事のように成功事例を言っていますが、

当然

「何も今は出来ないし、したくない」という方もいます。

そんな時はそこに関わる自分が「楽しみ」になるように関わったりします。


一律に「楽しみかな?」を押し付けずに

「個人因子」を大切にします。


例えば、大学教授だった方なら、


「今度、講師をするんですけど、どうしたら緊張せずに聴講者にわかりやすく出来ますかね?」

と言うと教えてくださったりします。

次の週伺うと

「君、前の講義は上手くいったのか?」と聞いて下さいます。


お寺と法要に詳しい方だったら


「各法要の相場やどのくらいの幅なら許されるか」などを相談したりします。


歌舞伎が好きな方なら


歌舞伎のセリフを持ってきて、一緒に読みながら見どころを教えてもらいます。


元ヤンキーの方なら


武勇伝と身の守り方、舐められない方法を教えてもらいます。


「本来の自分のポリシー趣向と違うから流す」雰囲気があれば、相手に「そうですね」と

言っても伝わるものです。


色んな価値観に耳を傾ける、興味を持つ姿勢が大切なように感じます。

「タモリ倶楽部」*2や「マツコの知らない世界」*3のような雰囲気です。

タモリやマツコの話術は真似できませんが、聴く・興味を持つスタンスは非常に参考になります。


そこに関わる自分が相手の個人因子・環境因子からお見立て≒好きなツボに寄り添うことで


「繋がりのある楽しみ」の存在になることで、


「何にもしたくないけど、またあの人くるし、それはちょっと楽しみ」


になることが大切です。


雑学は多いほうが良いですが、その場でgoogleで調べて、応えても寄り添えます。


「前に〇〇さんがおっしゃってた店、行ってきましたよ」とスマホの写真を見せながら

話すのも良いでしょう。


教えてもらう→やってみて(調べてみて)伝える→気になる、また教えたくなる


の循環が大切です。




*1「生きることの全体像」についての共通言語 国立長寿医療センター研究所 生活機能賦活研究部 大川弥生

*2タモリ倶楽部

https://www.tv-asahi.co.jp/tamoriclub/#/?category=variety

*3マツコの知らない世界

https://www.tbs.co.jp/matsuko-sekai/




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