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執筆者の写真hanataku2019

「ST,在宅やってるってよ」

「ST,在宅やってるってよ」その121


在宅STをしていると色んなことがあります。

一般的な会社員をするよりも「人の最期」に向き合う場面は自ずと多くなります。


先日、訪問すると重篤な肺炎状態で既に厳しい状態になっておられる場面に遭遇しました。


この方はご自身の意思表示が出来る時からご家族と


「入院はしない」


を決めておられました。


往診医の先生、緊急対応の看護師に状態連絡、訪問依頼をし、


来られるまでの間の一時間、可能な限りの呼吸介助と吸引を中心に行いました。


かなり状態は悪く通常はすぐに救急要請をするところ。


ご家族も揺れる想いの中におられましたので


救急対応後に一般的に行われる事などの質問にもわかる範囲でお答えし


再度


「入院はしない」


となりました。


ご家族と処置をしつつ、ふと奥さんが一言


「明日は結婚記念日、、何年か忘れたけど。明日まで頑張ろう」


こちらも平静を装いつつ焦りもありましたが


「おーおめでとうございます。何年ですかね。40年超えてるんじゃないですか?」

と、「いつも」の会話も大切にしつつ。


往診医・看護師が到着し、バトンタッチ。


その後、急いで年長さん達の待つ小児施設へ。


「始まり」と「終わり」を行き来する中で


切り替えは難しい部分もありますが、

だからこそ双方のステージが輝いて大切に見える部分もあります。


リハ職に急変時に出来る事は少ない様に感じますが無力では無いとも感じます。


数日後、無事に結婚記念日を迎えられたこと、


あの時、入院を選ばなくて良かったと


お話を頂きました。


価値観はそれぞれ、寄り添うって何だろうと考えた数日でした。




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