「ST,在宅やってるってよ」その136
もう四月。新年度です。
移動中にもフレッシュマンと思しき方々が散見されます。
これからの新生活に期待に胸膨らませているのが表情からも見て取れます。
そんな中には当然STさん達も。
言語聴覚士としてかれこれ十数年やってきたモノとして思う事が幾つかあります。
そしてサラリーマンもしていたので社会に出て20年以上のモノとしても、、、
①どんなSTになりたいかを時々考える
STの領域は非常に幅広いです。依然大半のSTが病院施設で高齢者や脳卒中、それに伴うコミュニケーション障害や嚥下障害を中心に対応していますが、潜在的に困っているST領域の患者さんは2000万人ともいわれています。
その半数以上が難聴の方だったりします。
嚥下障害となると数百万人ですが、「噛み難い、食べ難いの実感がある」方となると高齢者の半数以上が困って居たりします。
就学後の学習障害やコミュニケーション障害(構音だけでなく場面緘黙や吃音など)も
まだまだ埋もれがちです。
STの知識を持って関われる方々は沢山いるということです。
一人で全てを網羅することは当然難しいので、どんなフィールドで活躍していくかを
イメージして行動してもらえればと思います。
医療介護保険領域なのか保険外なのか、
病院なのか、在宅なのか、施設なのか、
社会貢献型事業なのか、
介護予防かもしれないし、
ヘルスケアビジネスかもしれません。
これからのSTは「急性期、回復期、訪問」という様な括り以外の視野も持って
活躍する時代だと思います。
STにとって「当たり前の知識」が地域や他業界にとっては「金言」だったりします。
なりたい自分の自己実現を見据えたライフプランを考え、話を聞き、体験して欲しいです。
②人としての関わりを忘れない
STになろうとした「初心」を忘れないで欲しいです。
きっと話すや聞くや食べるに困っている方々に寄り添いたいと思ったはずです。
いつの間にか
「リハビリしてあげてる」だったり「何単位、捌いた」と口にし出す人もいますが
そうならずに、人対人であることを忘れず接してください。
③「正しい」は変わる
学生時代は正しいが一定で一貫していますが社会に出ると変わります。
矛盾していたり、時には卑怯だなと感じることが「正しい」とされたりします。
これはSTというより社会人になれば多かれ少なかれ感じる事です。
そこでどう反応し、意見するかは自分次第です。
自分の意見を持つこと、主張すること、責任を持つことで拓けることもあると思います。
④お金を稼ぐ為に
「お金を稼ぐ」という視点も大切です。最近出版されている子ども向けの仕事を紹介するムックにはSTの年収が他のリハビリ職よりも多く記されていました。
内容を見ると「独立して働くことで~」という様な内容があります。
STは先人の努力によりコミュニケーションに関する業務の独立(保険外のことばの教室の様な)が認められています。又、他のリハビリ職に比べてまだ希少であること。
需要と供給の視点で「より必要とされる職場環境」を探すことと「世の中がどこにお金を掛けようとしているか」を見極めることでその時その時で自分が得られる報酬は同じ時間、同じ知識手技を提供していても変わってくるかと思います。
自分たちの知識には価値がある事を知り、それに見合った対価を伝える術を身に着けることも大切です。
⑤「ST やめといた方が良い」
STと検索すると予測変換で出てくるワードですが、こちらは転職サイトへの誘導に関するもの(そんな煽り方のサイトに登録するのは避けた方が良いでしょう)と勤務先の人間関係で悩み退職した、という内容が多かったりします。
STの本質では無いという事を理解しましょう。
一つの職場で自分を否定されたから
「STが向いてない」、「給与が上がらないから向いてない、辞める、」では無く。
転職し放題です。
先程書いた様に需要と供給を見る力を身につける、知り合いをSNSも含めて増やすことで
よりよい環境、給与の職場で再挑戦は何度も出来るはずです。
それもこれもSTという資格を持っているからです。
一般の大学を出て就職した経験がある方には分かると思いますが
「手に職がない」と転職はこうはいきません。
⑥様々な視点・知識が活きる
転職サイトからの転職は求人先の企業が多額のお金を払わないと就職に結びつかないという仕組みがありますので、直接個人で行きたい企業のHPから求人を問い合わせ、伺った方が
就職しやすくなります(サイトにお金払うなどの出費が抑えられます)
医療から別の企業で働きたいと思った時もSTの経験ノウハウがどんなものが求められるかを事前に調べていると違う畑でも経歴が活きてきたりします。
「ビザスク」のようなサイトで自分の知識の何が世の中に求められているかを模索するのも
良いかも知れません。
色々と書きましたが、これからの時代に必要とされるSTで在り続けることが
初心の自分に嘘をつかずにずっと楽しく働くキーになるかと思います。
STをしていなければ出会えない素敵な場面が沢山あります。
関わったお子さんの初語に立ち合う。
旦那さんが再び奥さんに自分の言葉で伝えられた場面。。
再び皆で外食に行けた日、、、
ST、、良いですよ!
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